文化庁の日本語教育事業
12月28日、日伯学園(群馬県)において、文化庁の平成22年度「生活者としての外国人」のための日本語教育事業【ボランティアを対象とした実践的研修】に関する講座の報告が行われた。今回は受講生のうち5人が参加して報告を行った。その中で「教師は、自分が楽しんでやれば、児童も楽しんで授業に参加する」とか「新しい生徒が来た時に、壁を作らず皆でその子を受け入れる」というような戸沢エリカ先生の指導に関するお話などは、現場での貴重な経験に基づくものだった。
今回、受講し、この日発表した学生達はいずれも日本国内で大学進学の夢を果たし、その上でこうしたボランティア活動に参加しているので、二重丸を上げてもいい学習者達だと言える。
彼らは教授法の授業を受けて、すぐそれを実践できる環境にある。その実践を通しての感想には次のようなものがあった。
「休み時間になっても教室から出て行かないで児童達がお互いに文法やら様々なことを話していたのが以前と随分違った雰囲気になった」(松島ジョーゴ氏)、「今まではどう教えていいのかわからなかったことが、今回は細かく教えられるようになってよかった」(オタビオ氏)、「やってみて本当に楽しかった。自分の日本語を見直すいいきっかけになった」(中島氏)
今回の教授法の研修に関しては、実践的研修の講義の中で聞いたことをすぐ実践できたことがやはり一番よかったと思われる。結局、「教えることで学べた」ということだろう。
文化庁におられその後、現在の国立国語研究所に移られた野山先生にとっては文化庁の仕事について深く理解されている。その野山先生が、「外国人に日本語を教える教授法と、ろう学校での日本語教育と、こうした日系人児童への日本語教育が一体となった教授法にずっと関わっている江副さんと、皆さんの出会いは奇跡のようだ」と話されていたことが印象的だった。