「令和元年度『にほんごの日』記念 第2回 新宿日本語学校研究発表会」開催!
新宿日本語学校では、毎年11月5日を『にほんごの日』とし、それを記念して、教職員による研究発表会を開催しています。『にほんごの日』は「日本語」を広める、また、学校内外との情報交換によって、新宿日本語学校だけでなく、日本語教育全体の教育の質、サービスの向上に貢献し、11月5日を日本語の記念日に育てていくことを目的としています。
2019年11月5日(火)、秋晴れの空のもと、「令和元年度『にほんごの日』記念 第2回 新宿日本語学校研究発表会」を開催いたしました。第2回目のテーマは、昨今の目まぐるしく変わる日本語教育を取り巻く環境の変化を踏まえ、「大転換期の日本語教育」とし、講演、自由研究発表、ポスター発表を行いました。会場には学校内外からの参加者、スタッフ等を含め約80名が一堂に会しました。第1回目の参加者と比較すると30名程度増加しており、本発表会へ興味を持たれる方が増えてきていると実感しました。
午前中は、一般社団法人アクラス日本語教育研究所代表理事の嶋田和子先生による基調講演が行われ、「日本語教師のやりがい・楽しさを考える~『できる日本語』は、なぜ、どのように生まれたのか~」というテーマで大変貴重なお話をしていただきました。『できる日本語』はなぜ、どうやって誕生したのかというお話を通して、教科書づくりのプロセスにおいて協働性と同僚性がとても重要であることを学びました。また、お話全体から日々の授業に取り組む姿勢についても、改めて考えさせられました。嶋田先生の日本語教育への情熱が伝わってくる、非常に刺激を受ける講演でした。
午後は、1階の教室にて2本のポスター発表が行われました。発表内容は「レベル差のあるクラスにおける教室活動の工夫‐ピア・ラーニングを用いて」(佐伯香奈)、「ホリデークラスにおける活動実践報告‐学習者のニーズと大学生のアンケートから‐」(大﨑優子、三橋未幸)で、普段の学校でのさまざまな取り組みについて、発表者と見学者が近い距離で話をすることができました。
ポスター発表の後、「にほんごの日」記念日登録授与式が行われました。今年、一般社団法人日本記念日協会に11月5日を「にほんごの日」記念日として登録、認定していただきました。授与式では、当協会の加瀬様より記念日認定のお祝いのお言葉等をいただきました。
そして、今年も5本の自由研究発表が行われました。「留学ビザ申請の選考書類について」(入学事前審査課)、「新宿日本語学校における進学状況の変化」(吉沢猛、國久健太)、「ボッコちゃんにAI(愛)は作れるか~上級クラスにおける発展的教室活動を考える~」(伊勢みゆき)、「初級Ⅱ(特進)の期末試験について」(田中秀明)、「江副式教授法を基にした外国人児童に対する日本語指導の実践」(東京都公立小学校 教諭 白杉亮)といった多岐に亘る興味深い研究発表が行われました。今回は、新たな試みで、外部の先生にも発表をしていただくことができ、学外の江副式教授法の実践例について知ることができました。
そして、今回の研究発表会の特別講演として、江副隆秀校長による「ICT時代の日本語教育」についてのお話がありました。ICT技術の教育への活用についてのお話だけでなく、『第三の波』『AIに負けない子供を育てる』『タネをまく縄文人』等、様々な書籍のお話を通して、ICTやAIについて我々はどこまで理解できているのだろうかという投げかけや、常識を疑うことが発見につながるといったお話を聞くことができました。
最後に、森副校長より閉会の挨拶をしていただきました。昨年に続き2回目の「『にほんごの日』記念 研究発表会」が開催できたことを嬉しく思い、今後は、学内の各レベルの取り組みや研究発表なども期待し、次回はさらに盛り上げていこうと締めくくりました。
来年は、今回の反省点やアンケートの貴重な意見を反映し、より内容の充実した研究発表会にしたいと思います。
教務
渡邊 百里
2019年11月13日
にほんごの日の全体の様子
嶋田先生講演
佐伯先生のポスター発表の様子
大﨑先生、三橋先生ポスター発表の様子
にほんごの日登録記念
入学事前審査課発表の様子
進学課の発表
伊勢先生の発表の様子
田中先生の発表の様子
白杉先生の発表の様子
校長先生講演の様子
閉会の挨拶森先生
参加者の様子
集合写真